跡継ぎのいない田舎の実家を売却したい、
住宅ローンが返せないため現在のマンションを売り払いたい。
どんな立場の人にも、
ある日ふと襲い掛かる可能性があるのが土地や建物などの不動産売却です。
不動産関係のお仕事をしている方はそれなりの知識があるものの、
初めて不動産の売却を手掛ける方にとっては
「何から手を付けてよいのか」困ってしまうもの。
今回は不動産売却のビギナーに向けた、
気になる税金のシミュレーションをお伝えします。

◇不動産を売ってトクすると「税金」が課せられる

これから不動産を売りたいと思っている方がまず抑えておきたいのが、不動産を売却したときには、何らかの税金がかかる可能性があるということです。売ったときにプラスの利益があると税金として認められ、この税金は「譲渡所得税」とよばれます。譲渡所得税は不動産の売買で利益があったケースのみ課せられる税金のため、売買時に損するようであれば支払う必要はありません。
ややこしい譲渡所得税は、マンションや土地などの不動産を売ったときのお金から、諸経費を差し引いた額から決められます。諸経費にはマンションや土地を買ったときの購入金額や売却時の不動産会社に支払う仲介手数料・印紙代・登記代・測量代なども含まれます。このトータル金額はすべて足し算すると馬鹿にならないくらいのプライスに膨らむことも多いため一覧リストを作っておくと安心です。ちなみに諸経費には、物件の維持費(長年払ってきた固定資産税やマンションの大規模修繕費)は含まれないため、注意しておきましょう。シンプルな概算法として「譲渡の収入金額に5%をかけたもの」でおおよその税金を求めることができます。

また譲渡所得税がかかるときにセットで加算されるのが、住民税と所得税の支払いです。これらは自分で確定申告をして税務署に収める必要があります。平成30年中に売却して利益を得たなら、翌年の平成31年3月15日が締め切りになります。税金は前年度の利益に対して、翌年度申告する仕組みのため申請時期を誤らないよう注意しておきましょう。

◇いったい、いくらくらい払うのか?

・多くの人は控除が受けられる

物件を売却するときの税金の大まかな仕組みを理解したところで、気になるのが実際の支払い。このときに注意しておきたいのが「多くの人が控除を受けられるため、支払い自体は少ないことが多い」というもの。
実際に税金を納める方が住んでいたマンションや自宅を売却する場合は「特別控除」が適用されます。マイホームを手放す方が物件を売ることで苦しい生活を送ることがないように、政府も一定の配慮をしているのです。
この特別控除の額は「3,000万円」あります。たとえば4,000万円の資産価値のあるマンションの場合は、残りの1,000万円が税金の対象となります。もちろん3,000万円以下のマンションや一軒家の場合は、控除の恩恵をもろに受けることができます。

少し前に住んでいたけれども、現時点では住んでいない。こんなときにも特別控除は適用されます。「古い住まいに住まなくなってから3年目の年末まで」という条件付きではあるものの、少し前に住んでいた物件に対しても控除を受けることができるため頭に入れておくと良いでしょう。ちなみに特別控除が受けられるのは「通常の住まい」に限定されています。絵を描くためのアトリエ・休日を過ごすための別荘などは控除として認められないため気を付けることが大切です。

・4,000万円以上のマンションでも、税金はタダの可能性も

3,000万円の特別控除と聞くと、例えば4,200万円で購入したマンションの売却には多額の税金が加算されるのでは…?とヒヤヒヤすることもあります。
実際に「住んでいたマンションを売却するケース」として計算してみましょう。マンションの諸経費として仲介手数料や印紙代などが引かれるため、最終的な譲渡所得自体は500万円くらいになります。この譲渡所得に対して特別控除が課せられるため、実質税金がかかることはありえません。多くの方が3,000万円や4,000万円の物件を売却することが多い時代、一般的なマイホームを売るときには多額の税金はかからない計算になります。税金がかかることを恐れて自宅やマンションを売却するのをためらっている方は、少し考えをかえた方が良さそうです。

・空き家を売るときは、一定のお金がかかる

ちなみに住んでいるマンションや一軒家を売るケースに比べて、やや痛手を伴うのが「住んでいない空き家やマンションを売るとき」です。3年を大幅に超えてしまうと、先ほどの3,000万円の特別控除が受けられなくなります。一定のブランクがある空き家を売るときには、まとまった税金を支払う可能性もあるため留意しておくことが大切です。

シュミレーションをしてみると、平均的な4,000万円台の一軒家(居住していないもの)を売却するときには約100万円程度の税金がかかります。住民税や所得税として必ず納めなければならないもので「面倒だから放っておいていいや」と納税を放棄していると延滞税などのペナルティが課せられることもあります。税金を納めることは国民の義務として憲法にも定められています。面倒だからとスルーせず、きちんと納めることが大切です。

◇分からないことはプロに聞いてみよう

一生に一度の大きな買い物でもある、不動産の売却。普段あまり動かさないような大きな金額が関わってくる問題のため、もし少しでも不安に感じたら、その道のプロに尋ねておくことも大切です。

・税理士
そもそも自分の売却したい物件に、特別控除が受けられるのかよく分からない場合、税理士の方に計算してもらう方法もあります。マイホームの売却や、相続にまつわる不動産の知識は、専門の税理士の方がとてもよく分かっているもの。素人同士で考えるより事がスムーズに運ぶこともあるため、迷ったときはプロの手を借りることもおすすめです。実際に支払う税金がいくらになるのか、シュミレーションしてもらえます。

・不動産会社のスタッフ
物件を売りたいと思ったとき、頼りになるのは不動産会社のスタッフさんです。宅建などの免許を持っているプロのスタッフさんは、細やかな疑問に丁寧に答えてくれることが多いものです。
どの不動産業者に委託しようか迷ったときは、サイトの口コミなどを参考に選定するのも賢い方法です。不動産の一括サイトは一度に複数の業者から回答を得ることができるため、忙しい方にも向いています。

◇不動産の売却。ぜひ正しい知識を身につけましょう!

不動産の売却時の税金について、モデルケースをあげてみました。多くの人が初めてのことが多い不動産の売却。ぜひ正しい知識をもって、悔いのない売却をおこなって欲しいと思います。